転失気(読み)テンシキ

デジタル大辞泉 「転失気」の意味・読み・例文・類語

てんしき【転失気】

落語体調のすぐれない和尚診察に訪れた医者から「てんしき」があるかないかを聞かれる。和尚は知ったかぶりをしてその場をごまかし、あとで小僧を呼んで近所に「てんしき」を調べに行かせる。だれもが知ったかぶりをしたため、はっきりしたことを聞き出せない小僧は最後に医者を訪ね「てんしき(転失気)」とはのことだと聞かされる。小僧は、和尚に「てんしき」とは盃のことと偽りを伝える。医者の往診の折、宝物の盃を見てもらおうと小僧に「てんしき」を持ってくるように命じた和尚がとんちんかんなやりとりの末、真相を知るというもの。
から転じて》屁のこと。おなら

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「転失気」の解説

転失気(てんしき)

古典落語演目ひとつ。代表的な前座話のひとつ。三代目三遊亭金馬が得意とした。オチは間抜オチ。主な登場人物は、和尚、小坊主。「てんしき」とはおならのこと。

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世界大百科事典(旧版)内の転失気の言及

【屁】より

…〈嫁の屁は五臓六腑をかけめぐり〉。 一方,〈屁は笑い草,煙草は忘れ草〉のたとえのように,屁に関する笑い話は江戸落語《転失気(てんしき)》をはじめ多くある。また,屁をつかんだら200文出せという屁つかみ屋に,亭主はへのこ(男根)をつかまれて半分の100文を取られ,同じく放屁した女房はへへ(女陰)をつかまれて倍額400文を取られたなどの猥談もある。…

※「転失気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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