返品制度(読み)へんぴんせいど

知恵蔵 「返品制度」の解説

返品制度

日本の書籍雑誌委託販売制といわれるが、正確には返品条件付き売買制。委託販売の場合は、メーカーや卸業者が、小売店に商品の販売を委託して、一定期間後に実売分を代金決済し、小売店は売れ残った商品を返品できる。しかし、出版社取次会社書店の3者間の取引は、(1)出版社と取次との間では、新刊配本分などに限った委託販売、(2)取次会社と書店との間では、新刊配本分についても、書店の注文品同様に配本当月の請求になるので委託販売ではない、(3)書店は、売れていない商品も当月請求され、しかも取次主導で次々送品されるので、資金繰り上、早めに返品する傾向にある。

(村上信明 出版流通ライター / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android