退院(読み)たいいん

精選版 日本国語大辞典 「退院」の意味・読み・例文・類語

たい‐いん ‥ヰン【退院】

〘名〙
寺院住持が、その地位を退いて隠居すること。ついいん。ついえん。
江戸時代僧侶に科する刑の一つ。その職を解いて、居住の寺院から退出させるもので、追院につぐ刑。
政談(1727頃)四「夫より軽きは退院させ、或は綸旨公帖を奪て平僧とする仕方有べし」
病院で療養していた患者が、治療を終えたり、全快したりして病院から出ること。
※自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉写生帖「それから退院(タイイン)して叔父の内へ帰って来ますと」

つい‐いん ‥ヰン【退院】

〘名〙 (「つい」は「退」の唐宋音) 中世、禅宗寺院の住持が住持職を退くこと。たいいん。⇔入院
正法眼蔵(1231‐53)嗣書「宗鑑長老退院ののち、和尚補す」

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デジタル大辞泉 「退院」の意味・読み・例文・類語

たい‐いん〔‐ヰン〕【退院】

[名](スル)
入院していた患者が、病状が回復して病院から出ること。「先月退院したばかりです」⇔入院
議員議院から退出すること。⇔登院
住職がその地位を退いて隠居すること。
江戸時代、僧に科した刑罰。その職を解いて寺から退去させること。刑の宣告を受けてから一度寺に立ち帰ることができる。→追院

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「退院」の意味・わかりやすい解説

退院
たいいん

江戸時代,僧尼に科せられた刑罰の一つ。『公事方御定書』には,「住居の寺を退去すべき旨を申し渡す」とあり,追院と異なって,その宣告を受けたのち,いったん寺院に帰り,それから立去ればよかった。

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