進学問題(読み)しんがくもんだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「進学問題」の意味・わかりやすい解説

進学問題
しんがくもんだい

社会学的な概念では,義務教育後の上級学校への進学準備や失敗に関連して親がこうむる経済的,心理的苦痛ならびに当事者である子供のパーソナリティに及ぼす影響などが顕在的,潜在的に社会問題となる場合,それを進学問題という。教育運動の重要な課題の一つであり,教育政策へ大きな影響力をもつことがある。進学問題が広範に発生する条件としては,社会的状況が学歴主義の社会であること,教育機会がいわゆる単線型で制度的に開放されていることがあげられる。それに関連して,(1) 選抜基準が少くとも努力次第ではだれにも達成できると受取られ,(2) 進学への経済的,社会的障害が除かれているにもかかわらず,(3) 教育機会側の威信序列 (学校格差の存在) と相互関連的に親側の選考にも序列的体系が集合的に存在し,(4) 一部の学校に志願者が集中し,入学試験準備の競争が激化するといった現象がみられる。しかし,組織的な解明はまだ先に残されている。

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