逸・早(読み)はやる

精選版 日本国語大辞典 「逸・早」の意味・読み・例文・類語

はや・る【逸・早】

〘自ラ五(四)〙 (「はや(早)」の動詞化したもの。心が一つの対象にひかれ、そちらに進む意)
① 興に乗る。夢中になる。
※宇津保(970‐999頃)国譲上「面白き手どもを遊ばしはやりて、人の有り無しも知ろしめさず」
② 勇み立つ。あらだつ。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「はやる馬に乗り、をりまはしておはする」
③ 心が先に進む。せきこむ。また、あせる。いらだつ。「はやる気持をおさえる」
源氏(1001‐14頃)常夏「このいとこも、はた、けしきはやれる、御返しや、御返しやと筒(どう)をひねりて、とみにも打ち出でず」
④ 快活ではきはきしている。機転がきいて、てきぱきしている。
※宇津保(970‐999頃)国譲上「兵衛の君は、こめきたる人の、かみたけに一しゃくばかりあまりて、〈略〉はやりなれたり〈略〉こぎみも、〈略〉いとはやりざれたり」
⑤ 水がしぶきを上げたりしながら激しく流れる。〔日葡辞書(1603‐04)〕

はやり【逸・早】

〘名〙 (動詞「はやる(逸)」の連用形名詞化) 心がはやること。勇み立つこと。あせること。
平中(965頃)三三「このころ通はす女ぞ、おそろしくも、はやりあるかな」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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