道化方(読み)ドウケガタ

デジタル大辞泉 「道化方」の意味・読み・例文・類語

どうけ‐がた〔ダウケ‐〕【道化方】

歌舞伎役柄の一。こっけいなしぐさせりふで人を笑わせる役。また、その俳優道化師

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精選版 日本国語大辞典 「道化方」の意味・読み・例文・類語

どうけ‐がたダウケ‥【道化方・道外方】

  1. 〘 名詞 〙 歌舞伎の役柄の一つ道化を演ずる役。また、その役を得意とする人。三枚目。道化。
    1. [初出の実例]「面つきを鏡にふくす道戯方」(出典:俳諧・一息(1693か))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「道化方」の意味・わかりやすい解説

道化方
どうけかた

歌舞伎で喜劇的な演技を受持つ俳優をいう。「道外方」とも書く。初期の歌舞伎で滑稽演技をみせた猿若 (さるわか) の系統をひく。老巧な演技を必要とし,一座の中心となって,作者を兼ねた時代があった。 18世紀以後,歌舞伎がより劇的に,また写実的要素を加えるようになって,道化方は本来の存在価値を失ってきた。しかし,一編の作品のなかで,笑いを誘う場面 (チャリ場) などに出る,滑稽な性格をもった役のなかにその伝統が残されている。『寺子屋』のよだれくり,『落人 (おちうど) 』の伴内,『切られ与三』の番頭藤八などがそれである。こうした役を三枚目というのは,劇場正面の看板の三枚目に名を掲げられたところから出た。

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