遺伝子導入(読み)いでんしどうにゅう(英語表記)gene transfer

翻訳|gene transfer

知恵蔵 「遺伝子導入」の解説

遺伝子導入

細胞内に特定の遺伝子DNAを人為的に入れて、新しい遺伝的な特徴を持つ細胞や、その細胞に基づく個体を作製すること。遺伝子移入(トランスフェクション)とも呼ばれる。遺伝子導入の様々な手法が開発されている。細菌の細胞へは、プラスミド(核外の自己増殖性のDNA分子)やファージ(細菌に感染するウイルス)をベクター(運搬体)に用いる方法、電気的に細胞表面に小孔をあけるエレクトロポレーション法などが用いられる。動物細胞の場合には、顕微鏡下でガラス毛細管を用いて、細胞に直接に遺伝子DNAを注入するマイクロインジェクション法や、異なる細胞同士の細胞融合法などが用いられる。植物細胞の場合には、遺伝子DNAを付着させた微粒子高圧ガスで細胞に打ち込むパーティクル・ガン法や、土壌細菌のプラスミドを利用するアグロバクテリウム法などが用いられる。

(川口啓明 科学ジャーナリスト / 菊地昌子 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

化学辞典 第2版 「遺伝子導入」の解説

遺伝子導入
イデンシドウニュウ
gene introduciton, gene transfer

微生物や動物,植物細胞に,外からあらたな遺伝子を導入すること.基礎研究はもとより,生物形質転換品種改良など,応用面でも活用されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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