生物の個体群にみられる現象で、毎代の繁殖の際に次の代に伝えられる遺伝子が無作為的に取り出される過程で、遺伝子頻度が変動することをいう。世代を多く重ねている間に、この効果が累積してしだいに元の遺伝子頻度から偏り、著しい場合には対立遺伝子の一方が失われたり、または集団中に固定したりする。この効果は選択や突然変異とともに、集団の遺伝子頻度を変化させる要因の一つとなっているが、自然選択や人為選抜と異なり、変化に方向性がない。遺伝的浮動の大きさは、集団が小さいほどその変動が大きい。アメリカの集団遺伝学者ライトSewall Wright(1889―1988)が初めて指摘したので、ライト効果ともいわれる。
[井山審也]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…遺伝的浮動ともいわれる。個体数がNの集団は前の世代の個体が作った多数の配偶子から機会的に選ばれた2N個の配偶子から成り立っている。…
※「遺伝的浮動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
一度利用した製品を捨てずにそのまま再使用すること。ごみの削減に重要だとされる「3R」の一つで、衣類・服飾品や家電などさまざまな品目が取り扱われている。リユース商品の専門店やイベント、フリーマーケット...