避妊ワクチン(読み)ひにんワクチン(英語表記)contraceptive vaccine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「避妊ワクチン」の意味・わかりやすい解説

避妊ワクチン
ひにんワクチン
contraceptive vaccine

精子卵子を攻撃する抗体を誘導することで受精,妊娠を妨げるワクチン。 1990年頃からイギリスやアメリカで卵子表面の蛋白質,精子の蛋白質などで効果が数年続いたという動物実験の報告が相次いだ。 92年にはインドで,妊娠を維持するホルモンへの抗体を導くワクチンで女性への臨床実験に入っていることが明らかになった。性交ごとに着ける必要があるコンドームや毎日服用が必要なピルなど従来避妊法に比べはるかに簡便だが,安全性の確認には長期の試験が必要である。また実用化には倫理的,宗教的な異論も強い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android