郭務悰(読み)かくむそう

改訂新版 世界大百科事典 「郭務悰」の意味・わかりやすい解説

郭務悰 (かくむそう)

7世紀の唐の官人。生没年不詳。朝散大夫,上柱国。663年の白村江の戦の後,翌年旧百済領占領軍の鎮将劉仁願の命により百済人禰軍らとともに戦後処理の交渉のため来日,表函と献物を進める。朝廷は郭務悰を鎮将の私使と認めて大宰府で交渉させ,入京を許さなかった。翌年劉徳高とともに表函を携えて再び来日し,このときは入京を許された。669年にも来日したという。671年百済人沙宅孫登らとともに総勢2000人で来日。672年天智天皇死後甲冑弓矢,絁・布・綿を与えられて帰還した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「郭務悰」の解説

郭務悰 かく-むそう

?-? 唐(中国)の官吏
白村江(はくそんこう)の戦いの戦後処理のため,唐の百済(くだら)鎮将劉仁願(りゅう-じんがん)の命で天智(てんじ)天皇3年(664)来日。朝廷から正式の唐使とみとめられず帰国,翌年唐使劉徳高とともに来日。さらに10年百済の難民二千余人をひきいて来日したが,翌年筑紫(つくし)で天智天皇の死を知らされ帰国した。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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