日本大百科全書(ニッポニカ) 「酒井朝彦」の意味・わかりやすい解説
酒井朝彦
さかいあさひこ
(1894―1969)
児童文学作家。本名源一。長野県生まれ。早稲田(わせだ)大学英文科卒業。高等女学校の教師、研究社の編集者などをしながら1924年(大正13)個人誌『童話時代』を創刊。さらに同人誌『童話文学』(1928)、『児童文学』(1935)を創刊して短編童話を発表。38年(昭和13)『月夜のきじ』で童話作家協会賞、61年(昭和36)『新信濃(しなの)むかし話』で未明(みめい)文学賞功労賞を受ける。童心主義風な生活童話によってふるさとへの憧憬(しょうけい)を描き続けた。おもな童話集に『木馬のゆめ』(1930)、『雪とうさぎ』(1939)、『ふるさとの門』(1941)などがある。
[西本鶏介]
『『少年少女日本文学全集9 浜田広介・酒井朝彦・小出正吾・塚原健二郎』(1977・講談社)』