(読み)サイ

デジタル大辞泉 「采」の意味・読み・例文・類語

さい【采】[漢字項目]

常用漢字] [音]サイ(呉)(漢) [訓]とる
美しい色彩。「采衣
姿や様子。「風采
えらびとる。「納采
領地。「采地
[名のり]あや・うね・こと
難読采女うねめ

さい【采/×賽】

双六すごろくばくちなどで用いる小さな立方体道具六つの面に一から六までの目が記してあり、投げ転がして上面に出た数により勝負を決める。さいころ一天地六いってんちろく
采配」の略。「―を振る」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「采」の意味・読み・例文・類語

さい【采・賽・骰子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. すごろく、ばくちなどに用いる道具。角(つの)象牙(ぞうげ)木材などでつくられた小形の立方体で、その六面に、一から六までの目をきざんだもの。さいつ。さいころ。さえ。さいつぶ。
    1. [初出の実例]「此処(ここ)に銅牙石あり。形は双六(すぐろく)の綵(さい)に似たり」(出典播磨風土記(715頃)揖保)
    2. 「双六うつ時のことばにも、明石の尼君明石の尼君とぞ、さいは乞ひける」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
  3. さいはらい(采払)」の略。
    1. [初出の実例]「飼て有る鬼見せる霊芝に麾かける」(出典:雑俳・天狗七部集(1847))
  4. 船具の一つ。棒の先によもぎをたばねて、采配(さいはい)の形をしたもの。艪(ろ)をこぐ時、艪ぐいが熱せられてはずれるのを防ぐため水を注ぐのに用いる。
  5. さいはい(采配)采を振る
  6. 賽日。社寺縁日
    1. [初出の実例]「賽、最も夏晩に盛也」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)初)

ざい【采】

  1. 〘 名詞 〙さいはい(采配)
    1. [初出の実例]「此度、広瀬・みしな両人にも小菅並にざいをゆるし下さるるは、六年後酉年なり」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品四八)
    2. 「纔かに官賜所金麾(〈注〉ザイ)を認むるのみ」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)二)

さえ【采・賽】

  1. 〘 名詞 〙さい(采)
    1. [初出の実例]「一二の目のみにはあらず五六三四さへありけり双六(すぐろく)の佐叡(サエ)」(出典:万葉集(8C後)一六・三八二七)

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