野宮(神道)(読み)ののみや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「野宮(神道)」の意味・わかりやすい解説

野宮(神道)
ののみや

伊勢(いせ)の神宮に派遣される斎王(さいおう)の潔斎(けっさい)のための場の一つ。伊勢の神宮には、その鎮座以降後醍醐(ごだいご)天皇のときまで、歴代皇女また女王のなかより斎王が選ばれ派遣されてきたが、『延喜式(えんぎしき)』によると、その斎王卜定(ぼくじょう)ののち、宮城内の適当の箇所を占って初(しょ)斎院とし、そこで半年から一年潔斎、あと宮城外の野宮に入り、一年潔斎して伊勢に行くこととなっていた。その場はおよそ京都瑳峨野(さがの)があてられていた。この起源は明らかでないが、『日本書紀』天武(てんむ)天皇2年4月の条に、大来皇女(おおきひめみこ)を泊瀬斎宮(はつせのいつきのみや)にいらせられたとあるのが初見である。

[鎌田純一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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