金属組織検査(読み)きんぞくそしきけんさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「金属組織検査」の意味・わかりやすい解説

金属組織検査
きんぞくそしきけんさ

顕微鏡観察やX線解析などにより金属の内部構造(組織)を調べること。金属の性質は組織の様相に応じて著しく変化するので、組織検査は金属学において非常に重要である。

(1)金属顕微鏡による組織検査 イギリスのソルビーが約100年前に創始した方法で、試料の断面を研摩機で鏡面状に平滑にし、腐食液でエッチングして組織を現出させ、金属顕微鏡によって観察する。

(2)電子顕微鏡による組織検査 1950年ごろから発達した組織観察法であり、研摩機や電解研摩などによって、できるだけ薄くした膜状の試料に電子線を当て、透過してきた電子線を電子レンズで1000倍~100万倍に拡大する。金属結晶中の転位や微細な析出物を観察することができる。

(3)X線による組織検査 X線の回折現象を利用して金属の結晶構造を調べる。また、試料に電子線を当てた際に発生するX線の波長から、金属組織を構成する結晶の化学組成を定めることもできる。

[西沢泰二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android