化学辞典 第2版 「金属酵素」の解説
金属酵素
キンゾクコウソ
metalloenzyme
金属イオンが活性中心であるような酵素をいう.金属イオンは基質と酵素の両者を結びつけると同時に,触媒作用の中心となる.金属イオンは酵素の非タンパク質部分に含まれることが多く,これがタンパク質部分と強く結合して存在するときは補欠分子族とよばれる.たとえば,鉄ポルフィリンは金属酵素の代表的な補欠分子族である.この補欠分子族は錯体であるから,その電子状態,旋光性などの物性について詳しい知見が得られ,酵素模型として酵素作用の機作を知る直接的な手がかりを得ることができる.金属酵素の生化学的機能は,主として酸化還元と加水分解である.前者の機能の酵素にはフェノラーゼ,シトクロム群などがあり,後者のそれにはカルボキシペプチダーゼ,その他がある.おもな金属酵素を,その含まれる金属イオンによって分類すると次表のようになる.[別用語参照]金属タンパク質
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報