20世紀日本人名事典 「金成 マツ」の解説
金成 マツ
カンナリ マツ
明治〜昭和期のユーカラ記録者
- 生年
- 明治8年11月10日(1875年)
- 没年
- 昭和36(1961)年4月5日
- 出生地
- 北海道幌別郡幌別村
- 別名
- アイヌ名=イメカノ
- 学歴〔年〕
- 函館聖公会伝道学校卒
- 主な受賞名〔年〕
- 紫綬褒章〔昭和31年〕
- 経歴
- 幌別のアイヌ名家の出身。16歳のとき怪我で半身不随となり、自立手段を得るため函館聖公会伝道学校に入り、ローマ字も習得。明治31年妹と一緒に日高市の教会に勤務、42年から旭川郊外の近文の教会で伝導。大正7年金田一京助の訪問を受け、昭和3年から金田一のユーカラ筆録事業援助のため、母モナシノウクから伝えられ暗誦していたユーカラをローマ字で筆録し始め、19年までに約72冊を書き上げ金田一に送った。その一部は「アイヌ叙事詩 ユーカラ集」(全7巻)に収録され、31年無形文化財に指定された。モナシノウクは金田一より“アイヌの最後の最大の叙事詩人”と賛えられる。妹ナミの娘、知里幸恵は「アイヌ神謡集」の著者。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報