金立山(読み)きんりゆうざん

日本歴史地名大系 「金立山」の解説

金立山
きんりゆうざん

佐賀市の北部、金立町にある。背振せふり山地の南斜面、市内を見下ろす位置にあって眺望に恵まれる。標高五〇二メートル。有明海島原しまばら半島も遠望できる。花崗岩を母岩としているが平野に近く古来から信仰の対象とされ、山上には金立神社が建立され、保食罔象女命と徐福を祀っている。とくに旱魃の際には黒髪くろかみ神社・稲佐いなさ神社(ともに杵島きしま郡)と並んで雨乞い祈祷が行われ、江戸時代には藩主の代参がしばしば行われている。

なお秦の始皇帝の命で不老不死の薬を求めた徐福の伝説が金立山に結びつき、この山から浮盃津ぶばいつ(現佐賀郡諸富もろどみ町、徐福の上陸地と伝える)へ金立権現の神幸を行えば雨が降ると伝えられ、江戸時代にはしばしば行われている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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