知恵蔵2010の解説
幅広い金融商品を対象に、投資家保護ルールの徹底と利便性の向上や、金融市場の透明化、国際化を促す目的で制定された法律。2007年9月30日に全面施行された。それまで、金融商品を巡っては株式や投資信託などは証券取引法、商品ファンドは商品ファンド法などと別々の法律で規制していたが、証取法の名称を変え、関連法律を改正・統合して、1つの法律で横断的に規制できるようにした。従来の証取法と比べて、信託の受益権や多様なデリバティブ取引なども対象とするなど規制範囲を拡大。さらに、集団投資スキームの持ち分も規制対象に含め、これまで野放しだった投資ファンドは販売、運用会社の名称や所在地などを金融庁に登録・届け出をしなければならなくなった。大型ファンドは有価証券報告書の提出も求められる。これは、ファンドを介在させて自社株売却益を違法に売り上げに計上したなどとして、堀江貴文被告が証取法違反の罪に問われたライブドア事件の影響が大きい。金融商品ごとにばらばらだった販売や勧誘のルールも金商法により統一され、顧客の知識や経験、財産状況、投資目的に照らして不適当な勧誘をしてはならないなど、業者に厳しい投資家保護策が課せられた。金商法は1986年にスタートした「金融ビッグバン」の総仕上げとなる。政府は、個人が安心して投資できる環境を整えることで「貯蓄から投資へ」の流れが進むと期待している。
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織田一朝日新聞記者
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出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2008」
証券取引法などこれまで複数の法律で規制されてきた金融商品の販売や投資関連サービスおよび有価証券の発行や流通に関わる法人などについて、機能が同じものには同じ規則・規制を適用し、また投資家保護のために販売、勧誘、投資助言などを包括的に規制するための法律。2006年6月に成立、07年9月30日施行された。この法律により、商品ごとに縦割りであった規制が、リスク性のある金融商品については横断的な規制となる。その他にも、企業の内部統制に関わる部分が「日本版SOX法(企業改革法)」とも言われるように、内部統制の適正化、四半期報告制度の導入、投資ファンドの規制、株式公開買い付け(TOB)制度の見直しなど、非常に多岐にわたる内容を包括的に網羅している。
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熊井泰明証券アナリスト
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出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2008」
幅広い金融商品を対象として、投資者保護ルールの徹底、利用者利便の向上、市場機能の確保、国際化への対応を目的に制定された法律。投資サービス法とも呼ばれている。2006年6月に、従来の証券取引法を改正する形で成立・公布された。主要部分の施行は、07年7月が有力視されている。金融商品取引法は、幅広い金融商品を横断的に規制するため、従来の証券取引法と比べて、信託の受益権、抵当証券、集団投資スキーム持ち分、各種デリバティブ取引などに規制対象が拡大された。特に、集団投資スキーム持ち分が規制対象とされたことから、各種の投資ファンドの募集・販売・運用などに対して、金融商品取引法に基づく開示規制、販売・勧誘規制、運用規制、登録・届け出義務が課される意義は大きい。他方、預金、保険、商品取引所法に基づく商品先物については、金融商品取引法の適用対象とはなっていない。そのほか、上場会社に対する四半期報告書・内部統制報告書制度の導入(08年4月以後開始する事業年度から適用)、公開買い付け制度・大量保有報告書制度の見直し、相場操縦・インサイダー取引規制違反等に対する罰則強化なども盛り込まれている。
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吉川満(株)大和総研常務理事)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2007」
株式公開用語辞典の解説
金融商品取引法とは、さまざまな金融商品について開示制度、取扱業者に係る規制を定めることなどにより、国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目指した法律です。立案段階では「投資サービス法」と呼ばれていました。従来、株券や債券など「有価証券」については、証券取引法、金融先物取引については金融先物取引法など、金融商品ごとに法律が定められいましたが、従来の枠組みに当てはまらないさまざまな金融商品や、それらを取扱う業者が登場していることなどから、幅広い金融商品を包括的に対象とする新しい法律の枠組みが求められていました。金融商品取引法は、証券取引法を母体としながら、以下の改正をおこなって成立しています。
1. 集団投資スキーム(ファンド)も含め、投資性の強い金融商品・サービスについて横断的に対象。
2. 開示制度について、公開買付制度・大量保有報告制度の見直し、四半期開示制度の整備などをおこなう。
3. 「有価証券報告書」など開示書類の虚偽記載および不公正取引などに対する罰則を強化する。
投資信託の用語集の解説
投資者保護の横断的な法制として、証券取引法を改組し整備された法律。平成19年9月30日施行。金融・資本市場をとりまく環境変化に対応し、金融商品によってバラバラだった法体系を横断的に一つにまとめ、投資家保護ルールを徹底させ、金融商品利用者の利便性を向上させるため、従来の証券取引法が抜本的に見直されてできた法律。平成18年6月7日に成立し、平成19年9月30日に施行された。
金融商品取引法では、株式や債券、投資信託、金融先物取引など元本が保証されていないリスク商品について横断的に共通の販売・勧誘ルールが制定されることになったが、今まで規制の対象外であった「任意組合」や「匿名組合」による投資ファンドや多様なデリバティブ取引も含まれることとなった。また、プロ向けと一般向けの商品類型に応じて、差異のある柔軟な規制である点も特徴となっている。
投資信託では、金融商品取引業に係る広告等の規制や契約締結前書面の交付義務、契約締結時の交付義務等で大きな影響を受けた。
デジタル大辞泉の解説
きんゆうしょうひんとりひき‐ほう〔キンユウシヤウヒンとりひきハフ〕【金融商品取引法】
証券取引法・金融先物取引法などを整理統合して、多様化する金融取引に対応し、国民経済の健全な発展と投資者の保護を目的として定められた法律。投資ファンドの特権を規制し、株式公開買付制度の見直し、大量保有報告書制度の見直し、インサイダー取引・時間外取引など不公正な取引に対する罰則を強化、上場企業の四半期業績の開示の義務づけなどを定める。平成18年(2006)成立。翌年施行。金商法。
◆平成21年(2009)の改正で、格付け会社を登録制とし、金融庁の監督下に置くことが定められた。これは、2008年の世界的金融経済危機の発端となったサブプライムローン問題で、格付け会社が住宅ローン担保証券のリスクを過小評価していたことが一因とされることを受けて、欧米諸国と協調する形で実施された。同改正では他にも、利用者保護・公正で利便性の高い市場基盤の整備などの観点から、金融分野における裁判外紛争解決制度(ADR)の創設、金融商品取引所と商品取引所の相互参入容認などの措置が講じられた。
朝日新聞掲載「キーワード」の解説
百科事典マイペディアの解説
証券取引法,金融先物取引法などを統合し,改正・改称した法律。投資サービス法ともいう。従来の法律の対象にならない新しい金融商品や,複数の法律にまたがる金融商品が登場したことを受けて,2006年6月に成立・公布された。
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