金銀複本位制(読み)きんぎんふくほんいせい

山川 日本史小辞典 改訂新版 「金銀複本位制」の解説

金銀複本位制
きんぎんふくほんいせい

金銀両者をともに本位貨幣として並立させる貨幣制度。日本の近代的貨幣制度の出発点である1871年(明治4)の新貨条例金本位制を採用した。しかし当時,貿易決済には大方がメキシコ・ドル銀貨があてられていたこともあって,開港場に限り1円貿易用銀貨の無制限通用を認めたから,実際上は金銀複本位制に近いものであった。79年10月の太政官布告第41号は,貿易1円銀に内国租税をはじめ公私一般の取引上無制限通用を認め,複本位制に移行するに至った。しかし85年の日本銀行券の発行,86年の紙幣の銀兌換開始で銀本位制に移行した。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「金銀複本位制」の解説

金銀複本位制
きんぎんふくほんいせい

金貨と銀貨の両方を本位貨幣とする制度
1871年の新貨条例で金本位制を採用したが,財政難や,アジア諸国が銀本位であったため,'78年貿易決済には銀を用いるようになり,貿易1円銀貨と1円金貨を等価値にした。'97年の金本位制実施まで行われた。

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