…お針子ともいう。日本では,近世に裁縫を〈お針〉とか〈針仕事〉と呼ぶようになり,江戸時代には大名などの衣服を仕立てる呉服所で,針妙(しんみよう)と呼ばれる裁縫をする女性が働いていた。裁縫技術は,江戸では家庭で身につけるのが一般的であったが,上方では縫物師のところや寺子屋でも習得した。…
…今日のような繊細な縫い方が行われるようになったのは,小袖が定着した江戸初期ころという。それ以前の裁縫職の女性の針妙(しんみよう)のほか,専門の仕立屋もあったが,一般家庭では家族のための和服をまかなうために和裁ができることを嫁入りの条件として娘たちに習得させた。明治時代からの学校教育でも女子の裁縫科目があり,塾もあった。…
※「針妙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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