釣船・釣舟・吊船（読み）つりぶね

精選版 日本国語大辞典

つり‐ぶね【釣船・釣舟・吊船】

〘名〙

① 釣りをするのに使う船。また、釣りをしている船。

※万葉（８Ｃ後）一八・四〇四四「浜辺より我がうち行かば海辺より迎へも来ぬか海人の都里夫禰(ツリブネ)」

② 船の形をしたつり花器。竹製のものが多い。

※山上宗二記（1588‐90）「花入之分〈略〉一、釣船 くゎてき、昔紹鴎滴所持、天下無双の花名人也」

③ 江戸時代から明治にかけて行なわれた女性の結髪の一種。髻(もとどり)を扁平に十文字としたもの。

※浄瑠璃・奥州安達原（1762）一「結うて貰うた此釣船(ツリフネ)」

出典　精選版 日本国語大辞典