銃剣を使う近接戦闘の訓練技術。近年は「銃剣道」として柔道・剣道とともに心身鍛錬のスポーツとなっている。17世紀中ごろフランスで考案され、しだいに各国軍に採用されて白兵戦の中核となり、日本でも高島秋帆(たかしましゅうはん)(1798―1866)の銃剣操法の展示、五稜郭(ごりょうかく)での官軍の銃剣突撃などの史実があり、明治陸軍は1889年(明治22)フランス式銃剣術と日本槍術(そうじゅつ)とを組み合わせ独自の戦技を完成した。訓練は、長さ166センチメートル、重さ1.1キログラムのたんぽ付き木銃で相手の咽喉(いんこう)・心臓を直突・脱突・下突・返突などの技で突く。自衛隊では射撃と連係し刺突・打撃・体当りなどの「銃剣格闘」を戦技とし、「銃剣道」競技を体育と区別している。1956年(昭和31)に発足した全日本銃剣道連盟は日本体育協会(現、日本スポーツ協会)に加盟、五級から十段までの段級、範士・教士・錬士の制度をもち、国体に参加、武道としての銃剣術の保存と国民スポーツ化に努めている。
[寺田近雄]
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…それによる刺突の闘技が発達して,訓練が盛んに行われた。日本でも幕末洋式調練が行われるようになり,銃の扱いとともに銃剣術も西欧の指導者から学んだ。日本独自の銃剣の術が考案されるのは,1873年陸軍戸山学校が創設され,その翌年フランス式銃剣術が採用されてからである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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