銘文(読み)メイモン

デジタル大辞泉 「銘文」の意味・読み・例文・類語

めい‐もん【銘文】

めいぶん(銘文)

めい‐ぶん【銘文】

銘として、金石器物・像などに刻まれた文字文章金石文。めいもん。

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精選版 日本国語大辞典 「銘文」の意味・読み・例文・類語

めい‐もん【銘文】

  1. 〘 名詞 〙
  2. めいぶん(銘文)
    1. [初出の実例]「右法隆寺金堂坐釈迦仏光後銘文如件」(出典:知恩院本上宮聖徳法王帝説(917‐1050頃か))
  3. 銘記すべき文。心にきざんでおくべき文章や文句

めい‐ぶん【銘文】

  1. 〘 名詞 〙 銘として金石・器物・像などにきざみつけられた文。めいもん。

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改訂新版 世界大百科事典 「銘文」の意味・わかりやすい解説

銘文 (めいぶん)

器物に刻したり,書いた文字。器物製作の由来や祈願頌徳の文,製作者や製作年などが記されることが多い。また金属器に刻したものを金文,石に刻したものを石刻または石刻文,両者をまとめて金石文ともいい,銘文といえば金石文を指すように考えられがちである。これは金石に刻したもの以外は滅びやすいために,実見しうる銘文の中では金石文が大部分を占めているからにほかならない。したがって金石文が銘文のすべてではなく,泥板の文字や甲骨の文字なども銘文であり,その他有機物に記されたものでも残る場合がある。銘文は,考古学的には年代決定の基礎となるほか器物の用途や性質についての知識を提供するなど重要であるが,とくに文献史学の研究では絶対的な史料価値を有する。甲骨の文字が古代中国の殷王朝の実在を立証したことは,その最たる一つである。日本でも最近では鉄剣などのさびた銘文をX線で解読する技術が進歩し,古代史解明に大きな期待が寄せられている。
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世界大百科事典(旧版)内の銘文の言及

【造像記】より

…造像銘あるいは造像銘記,略して単に銘文ともいう。仏像を例にとれば,その造像の由来を記した銘文をいう。…

※「銘文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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