銭洗宇賀福神社(読み)ぜにあらいうがふくじんじや

日本歴史地名大系 「銭洗宇賀福神社」の解説

銭洗宇賀福神社
ぜにあらいうがふくじんじや

[現在地名]鎌倉市佐助二丁目

源氏げんじ山の西方佐助さすけの谷奥に位置し、トンネルを抜ける道と、鳥居の並ぶ階段を下る道との二つの参道がある。もとおうぎやつ八坂神社の境外末社。俗称は銭洗弁天。ここの洞窟に福神が銭を洗ったという湧水(銭洗水)がある。祭神は宇賀福神。

源頼朝が天災にあえぐ人民の神仏加護を祈願した際、巳年巳月巳日、宇賀福神が夢枕に立ち洞内湧水の功徳を説いたので従ったところ、世が治定したという伝説がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「銭洗宇賀福神社」の意味・わかりやすい解説

銭洗宇賀福神社
ぜにあらいうがふくじんじゃ

通称銭洗弁天。鎌倉市佐助(さすけ)に鎮座。祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。創立不詳。口碑に、源頼朝(よりとも)は1185年(文治1)の巳月巳日(みのつきみのひ)、宇賀福弁天を祀(まつ)れば治世と民心の安定を得るとの霊夢に導かれたと伝え、このときを創祀(そうし)とする。以後民衆参詣(さんけい)は増え、1868年(明治1)までは弁財天の名で親しまれたが、神仏分離の令により神社となる。境内岩窟(がんくつ)に鎌倉五水の一つ銭洗水(ぜにあらいみず)があり、この水で銭を洗うと金運に恵まれるとの信仰は広く知られている。例祭日は9月白露(はくろ)巳日。

三橋 健]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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