(読み)エイ

デジタル大辞泉 「鋭」の意味・読み・例文・類語

えい【鋭】[漢字項目]

常用漢字] [音]エイ(呉)(漢) [訓]するどい
よく切れる。先がとがっている。「鋭鋒えいほう鋭利尖鋭せんえい
さとくすばやい。「鋭敏気鋭新鋭精鋭
角度直角より小さい。「鋭角
[名のり]さとき・さとし・とき・とし・はや

するど【鋭】

[形動ナリ]
するどくとがっているさま。鋭利なさま。
四つきば剣よりも―にして」〈太平記・二四〉
言動がとげとげしいさま。つっけんどん。
「詞―に言ひ放せば」〈浄・盛衰記
勢いが激しく、勇ましいさま。
逞卒ていそつ機―なれば」〈太平記・三九〉
鋭敏なさま。
「―ナ人」〈日葡

えい【鋭】

[名・形動]
鋭いこと。また、鋭いさま。
私利を謀るの心極めて―なれば」〈田口日本開化小史
鋭い武器。また、すぐれた兵士。「を執る」「をすぐる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鋭」の意味・読み・例文・類語

するど【鋭・尖】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. 物が鋭くとがっているさま。鋭利なさま。
    1. [初出の実例]「其の底尖(スルト)なるに由りて、鉢動転(かひろ)がず」(出典:南海寄帰内法伝平安後期点(1050頃)一)
    2. 「わが見る空をかぎりて、するどに尖(とが)る山あり」(出典:水墨集(1923)〈北原白秋〉初冬の空・大山)
  3. 心を突き刺すような気迫があるさま。勇ましくてつよいさま。また、必死なさま。
    1. [初出の実例]「雲鳥の陣堅して、逞卒機尖(スルド)なれば、〈略〉千騎に足ぬ小勢にて懸合すべしとは不覚」(出典:太平記(14C後)三九)
    2. 「然らば風流ならんかとおもへば、姿銛(スルド)にして優なる処をしらず」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一五)
  4. 行動や反応がすばやいさま。感覚が鋭敏なさま。
    1. [初出の実例]「耿介は、するどに、つつと、ぬけた方ぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)二)
  5. 態度や顔つきがきびしくて取りつきにくいさま。とげとげしくつっけんどんなさま。
    1. [初出の実例]「かたぎ色黒にして、風俗するどに、ものいひ鄙びたる人も」(出典:浮世草子・男色十寸鏡(1687)上)
  6. 程度がはなはだしくて痛烈なさま。
    1. [初出の実例]「鬼瓦するどに暑き日の影も廻る風見に涼しさぞしる」(出典:滑稽本・大千世界楽屋探(1817)口絵)

えい【鋭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) するどいこと。勢いが一点に集中して激しいこと。また、そのさま。⇔
    1. [初出の実例]「然れども私利を謀るの心極めて鋭なれば」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉二)
    2. [その他の文献]〔老子‐四〕
  3. 鋭い武器。
    1. [初出の実例]「鋭 エイ ホコ」(出典:和玉篇(15C後))
    2. [その他の文献]〔書経‐顧命〕
  4. えりすぐった、勢いの強い軍隊。精鋭。〔漢書‐呉王濞伝〕

すんど【鋭】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 形容動詞語幹「するど」の変化した語という ) 機敏でこざかしいさま。こすっからいさま。
    1. [初出の実例]「され共花車(きゃしゃ)かって、おとなしく、すこしすんどに、みゆる時もあり」(出典:浮世草子好色一代男(1682)六)

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