錦之裏(読み)ニシキノウラ

デジタル大辞泉 「錦之裏」の意味・読み・例文・類語

にしきのうら【錦之裏】

洒落本。1冊。山東京伝作・画。寛政3年(1791)刊。角書は「青楼昼之世界」。遊郭昼間情景に取材し、遊里内情遊女生活などを精細に描写。同年刊「仕懸文庫」「娼妓絹籭しょうぎきぬぶるい」とともに絶版を命じられた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「錦之裏」の意味・読み・例文・類語

にしきのうら【錦之裏】

  1. 洒落本。一巻一冊。山東京伝作・画。寛政三年(一七九一)刊。角書は「青楼昼之世界」。これまで取り上げられなかった郭(くるわ)の昼間の情景に取材し、緻密な描写によって遊里の内情、遊女の生活などを描く。出版取締りを意識して夕霧伊左衛門の話を導入して趣向を構えたが、「娼妓絹籭(しょうぎきぬぶるい)」「仕懸文庫(しかけぶんこ)」とともに絶版を命ぜられ、京伝は手鎖五十日の刑に処せられた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android