鎌田魚妙(読み)かまた・ぎょみょう

朝日日本歴史人物事典 「鎌田魚妙」の解説

鎌田魚妙

没年寛政8.12.12(1797.1.9)
生年:生年不詳
江戸中期の刀剣の研究家。名は源吾,晩年三郎太夫。伊予(愛媛県)喜多郡櫛生村の三島神社の神官鎌田正謹の次男延享(1744~48)ごろ京都に上り,西洞院時名に仕え,のち川越の松平家に召し抱えられた。安永6(1777)年,新刀鍛冶について『慶長以来新刀弁疑』,寛政8(1796)年には古刀についての研究書『本朝鍛冶考』を著す。日本刀は慶長(1596~1615)を境に,それ以前の作を古刀,以後を新刀と称しているが,その典拠となったのが『新刀弁疑』である。古刀重視の中で,はじめて新刀鍛冶の位列を付け,また出自,作品の特徴などに言及した画期的な著述であり,新刀研究の基礎書となった。<参考文献>福永酔剣「鎌田魚妙の伝」(『刀剣美術』59号)

(原田一敏)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鎌田魚妙」の解説

鎌田魚妙 かまた-なたえ

1727-1797* 江戸時代中期-後期武士,刀剣研究家。
享保(きょうほう)12年生まれ。西洞院時名(にしとういん-ときな)につかえ,のち武蔵川越藩(埼玉県)藩主松平家の家臣となる。安永6年(1777)新刀研究の基礎文献となる「新刀弁疑」を,寛政8年古刀に関する「本朝鍛冶(かじ)考」をあらわした。寛政8年12月12日死去。70歳。伊予(愛媛県)出身。通称は源吾,三郎太夫。

鎌田魚妙 かまた-ぎょみょう

かまた-なたえ

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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