鎮所(読み)ちんしょ

精選版 日本国語大辞典 「鎮所」の意味・読み・例文・類語

ちん‐しょ【鎮所】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 奈良時代陸奥出羽蝦夷を鎮衛するための将卒の駐屯所。のち鎮守府と呼ばれる。
    1. [初出の実例]「令諸国司簡点柵戸一千人陸奥鎮所焉」(出典続日本紀‐養老六年(722)八月丁卯)
  3. 奈良時代、新羅対策のため臨時に置かれた節度使の駐屯所。
    1. [初出の実例]「同日介正六位上勲十二等居勢朝臣首名鎮所参向事」(出典:正倉院文書‐天平六年(734)出雲国計会帳)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の鎮所の言及

【多賀城】より

…おそらく8世紀初頭から前半にかけての時期にはすでに建造されていたと考えられるが断定はできない。《続日本紀》の養老年間(717‐724)から記載のみられる〈鎮所〉〈陸奥鎮所〉が多賀城の前身であるとするのが通説であるが,その性格づけ等未解決の問題も残されている。一方多賀城の正面に立つ多賀城碑には,724年(神亀1)大野東人の創建と記されている。…

【鎮守府】より

…その長官である将軍の名が729年(天平1)に初めて見えることから,奈良時代前半には鎮守府が設置されたと思われる。鎮守府の前身を《続日本紀》に見える〈鎮所(ちんじよ)〉とする考え方が根強い。しかし〈鎮所〉は鎮守府の存在と密接に関連した呼称であるが,本来正式な機関名としての鎮守府とは同列に置いて比較すべき用語ではない。…

※「鎮所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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