鎮魂の祭(読み)タマシズメノマツリ

デジタル大辞泉 「鎮魂の祭」の意味・読み・例文・類語

たましずめ‐の‐まつり〔たましづめ‐〕【魂の祭(り)】

肉体から遊離しようとする魂や、遊離した魂を肉体に落ち着かせるための儀式
宮中で、陰暦11月の中のとらの日(新嘗祭しんじょうさいの前日)に行われた祭儀天皇皇后皇太子などの魂を鎮め、御代長久を祈ったもの。みたまふり。ちんこんさい。

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精選版 日本国語大辞典 「鎮魂の祭」の意味・読み・例文・類語

ちんこん【鎮魂】 の 祭(まつり)

先代旧事本紀(806‐936頃)五「弟宇摩志麻治命〈略〉十一月日朔庚寅、初斎瑞宝、奉為帝后。鎮祭御魂。祈請寿祚。其鎮魂之祭、自此而始者矣」
[補注]「ちんこん」の撥音「ん」の無表記と思われる例に「弁内侍‐寛元四年一一月二二日」の「寅の日は宮の御方淵酔なり。〈略〉その夜はちこのまつりの使にたちたりしに」がある。

たましずめ【鎮魂】 の 祭(まつり)

① 鎮魂のための儀式。たまふり。
② 天皇・皇后などの御魂(みたま)を鎮め、または活力を与えるため、御霊振(みたまふり)を行なって、御代長久を祈るための祭。陰暦一一月の中の寅の日、すなわち新嘗祭の前日に宮中で行なわれた。ちんこんさい。みたましずめ。《季・冬》 〔貴嶺問答(1185‐90頃)二月一日〕
※俳諧・毛吹草(1638)二「誹諧四季之詞〈略〉霜月〈略〉鎮魂(タマシヅメ)祭 中寅」

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