長谷寺(はせでら 神奈川県)(読み)はせでら

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

長谷寺(はせでら 神奈川県)
はせでら

神奈川県鎌倉市長谷にある浄土系の単立寺院。海光山慈照院(かいこうざんじしょういん)と号し、長谷観音(かんのん)と通称される。寺伝では大和(やまと)(奈良県)長谷寺開山、徳道(とくどう)のつくらせた2体の観音像の1体が漂着し、これを縁として736年(天平8)に徳道が創建したものという。本尊は大楠(おおくすのき)に彫られた9メートル余の十一面観音立像で、木像では日本最大といわれる。堂内の内壁左右に銅造十一面観音懸仏(かけぼとけ)(6面)があり、また文永(ぶんえい)元年(1264)在銘の銅造梵鐘(ぼんしょう)があって国の重要文化財に指定されているほか、銅造鰐口(わにぐち)、『長谷寺縁起絵巻』2巻などを蔵する。坂東(ばんどう)三十三所第4番札所。毎年8月10日に四万六千日法要、12月18日には観音歳(とし)の市が開かれ参拝客でにぎわう。

[森 章司]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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