長閑やか・閑やか(読み)のどやか

精選版 日本国語大辞典 「長閑やか・閑やか」の意味・読み・例文・類語

のど‐やか【長閑やか・閑やか】

〘形動〙 (「やか」は接尾語)
① 状態、雰囲気(ふんいき)などが、静かで穏やかなさま。
蜻蛉(974頃)下「雨よいほどにのどやかにふりて」
② 天気がよく、静かで穏やかなさま。《季・春》
徒然草(1331頃)四三「のどやかに艷なる空に、賤しからぬ家の、奥深く木立ものふりて」
③ 人の性質態度、動作などが、ゆったりと落ち着いていて、静かで穏やかなさま。
落窪(10C後)二「男君も女君も御心のどやかによくおはすれば」
気持をのんびりして、ゆっくりするさま。時間的にゆとりのあるさま。
※能因本枕(10C終)二〇三「かうな急ぎそ。のとやかにやれ」
⑤ さしせまった用事もなく、暇なさま。
源氏(1001‐14頃)梅枝正月つごもりなれば、公私のどやかなる頃ほひに」
⑥ 気にかけないさま。平然たるさま。平気。のんき。
※源氏(1001‐14頃)帚木「ともかくも違ふべき節あらむを、のどやかに見忍ばむより外に、ますことあるまじかりけり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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