門を開きて盗に揖す(読み)もんをひらきてとうにゆうす

故事成語を知る辞典 「門を開きて盗に揖す」の解説

門を開きて盗に揖す

自分から進んで災難を招くことのたとえ。

[由来] 「三国志しょそんけん伝」に見える話から。二世紀、後漢王朝末期の混乱の時代。呉という地方を支配していたそんさくという武将が若くして亡くなり、弟の孫権が後を任されました。しかし、孫権は兄の死に泣いてばかり。そこで、ある家臣がこんなことを言いました。「豪族たちが激しい勢力争いをくり広げているこの状況で、親族の死を悲しんで涙を流しているのは、『お門を開きて盗に揖するがごとし(まるで屋敷の門を開けっ放しにして、泥棒に入ってくださいとお辞儀をしているようなものです)』。そんなものは情の深さではありません」。そうして、孫権に喪服を着替えさせ、馬にまたがらせて、軍隊視察に出かけさせたということです。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android