関節形成術(読み)かんせつけいせいじゅつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「関節形成術」の意味・わかりやすい解説

関節形成術
かんせつけいせいじゅつ

強直して動かなくなった関節を、ふたたび動くようにする手術をいう。自分の力で関節を動かせるようにならなければならないし、また下肢の関節では支持性が同時に要求される。したがって、どんな強直に対しても行えるとは限らない。

 手術方法は、まず癒着した関節端をはがして新しい関節端をつくり、この関節端が癒着するのを防ぐために筋膜、人工膜、あるいは合成樹脂や不銹(ふしゅう)金属でつくった人工関節帽を挿入する。また人工骨頭置換術といって、骨頭切除後に人工骨頭を入れて関節機能を再建する方法も行われる。股(こ)関節に対して大腿(だいたい)骨骨頭を置換するのが代表的なものである。さらに関節置換術といって、関節端を切除して合成樹脂または不銹金属でつくった人工関節で置換する手術も、股関節や膝(しつ)関節などに対してしばしば行われる。手術後は、機能回復のために十分な機能訓練を行うことが必要である。

[永井 隆]

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百科事典マイペディア 「関節形成術」の意味・わかりやすい解説

関節形成術【かんせつけいせいじゅつ】

強直した関節に本来の機能を回復させる手術。普通,癒着(ゆちゃく)した関節面を切り離し,両骨端を原形近く形成し,再癒着を防ぐために,プラスチック製の関節帽などを新しく形成した関節面の間に挿入する。最近では,金属や合成樹脂でできた人工関節に入れ換える関節置換(ちかん)術も多く行われている。
→関連項目関節強直

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「関節形成術」の意味・わかりやすい解説

関節形成術
かんせつけいせいじゅつ
arthroplasty

運動制限や変形疼痛などの障害がある関節に対して,可動性を回復したり,疼痛を除去したりするための手術。たとえば関節強直の場合には,骨の癒着をはがして,その間に筋膜,筋肉皮膚,人工膜などの中間挿入膜とか,合成樹脂や金属性の挿入物を入れたりする。最近では,人工骨頭や人工関節による関節置換術も盛んになっている。

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世界大百科事典(旧版)内の関節形成術の言及

【関節】より

…対象となる疾患または症状としては,関節結核などの慢性関節炎,変形性関節症,麻痺による動揺関節,骨の変形による手足の変形などがあげられる。(6)関節形成術arthroplasty 強直した関節の関節面を剝離(はくり)し可動性を再獲得する手術。関節面の適合,癒着の防止には各種の手技が用いられる。…

※「関節形成術」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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