閻浮檀金(読み)エンブダゴン

デジタル大辞泉 「閻浮檀金」の意味・読み・例文・類語

えんぶだ‐ごん【×閻浮×檀金/×閻浮提金】

《〈梵〉Jambūnada-suvarṇa閻浮樹の森を流れる川の底からとれるという砂金。赤黄色の良質の金という。えんぶだんごん。

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精選版 日本国語大辞典 「閻浮檀金」の意味・読み・例文・類語

えんぶだん‐ごん【閻浮檀金】

〘名〙 (Jambūnada-suvarṇa の訳語) 仏語。閻浮提(えんぶだい)の閻浮樹の下にあるという金塊。または、閻浮樹の林を流れる川の底に産する砂金。また、広く、良質の金をいう。えんぶだごん。
往生要集(984‐985)大文四「譬如閻浮檀金。除如意宝。勝一切宝菩提之心」
今昔(1120頃か)二「中の道は閻浮檀金、左の道は瑠璃(るり)、右の道は馬脳、此等を以て各厳(かざ)れり」

えんぶだ‐ごん【閻浮檀金】

平家(13C前)二「月蓋長者(ぐゎつかいちゃうじゃ)が致請によって、龍宮城より閻浮檀金(エンブダゴン)(高良本ルビ)をえて」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「閻浮檀金」の意味・わかりやすい解説

閻浮檀金
えんぶだごん

サンスクリット語 Jambūnada-suvarṇaの音写。閻浮那陀金,えん浮那他金などとも書かれる。仏教経典中にしばしばみられる想像上の金の名称。その色は紫を帯びた赤黄色で,金のなかで最もすぐれたものとされる。経典にみられる香酔山 (こうすいせん) の南,雪山の北に位置し無熱池のほとりにある閻浮樹林を流れる川から採取されるのでこの名称がある。

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