闕腋袍(読み)けってきのほう

世界大百科事典(旧版)内の闕腋袍の言及

【襖】より

…これは襴(らん)(衣のすそにつけた細い裂)のない衣で,腋(わき)の開いたものであった(《令集解》)。後にはこれが闕腋袍(けつてきのほう)になった。またこれから狩襖(狩衣)や素襖(すおう)が発展したようである。…

【元服】より

…男子が成人になったことを社会的に承認し祝う通過儀礼の儀式。〈げんぷく〉ともいい〈元〉は首,〈服〉は着用する意。首服,首飾,冠礼,加冠,初冠(ういこうぶり∥ういかぶり),御冠(みこうぶり),冠ともいう。
[古代]
 冠礼としての成人式は,日本古代では682年(天武11)に規定された男子の結髪加冠の制以後,冠帽着用の風習が普及してからで,国史に見えるものとしては714年(和銅7)の聖武天皇(14歳で元服)の記事が初めとされる。…

【束帯】より

…公家の正装。この名称は《論語》の公冶長篇の〈束帯立於朝〉より出たとされている。〈衣服令〉に規定された礼服(らいふく)は平安時代になると即位式にのみ用いられ,朝服が,参朝のときのほか,礼服に代わって儀式に用いられ束帯と呼ばれるようになった。さらに服装の長大化,和様化にしたがって優雅典麗な形式に発展した。束帯は晴装束として昼間に用いられるものであるため,昼(ひ)の装束とも呼ばれ,略装で宿直(とのい)装束の布袴(ほうこ)や衣冠(いかん)と区別した。…

【袍】より

…奈良時代から平安時代初期にかけての袍は身ごろも袖も細いものであったが,平安時代中期以降,服装の和様化,長大化によって,身ごろが広く,袖丈が長いものに変わった(図)。袍の形に2種あり,文官の用いるものは両脇が縫いふさがり,裾に襴(らん)がついた,有襴(うらん)の袍または縫腋袍(ほうえきのほう)といい,若年や武官の用いるものは両脇を縫いふさがず開いていて,襴をつけていないもので,(あお)とか無襴の袍,または闕腋袍(けつてきのほう)と呼んだ。なお,縫腋袍の前身ごろをたくし上げて,かい込みをする分だけ前もって後腰の部分をたくし上げて縫いとめたものを格袋(はこえ)と呼んでいる。…

※「闕腋袍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」