日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿部展也」の意味・わかりやすい解説
阿部展也
あべのぶや
(1913―1971)
洋画家。新潟県生まれ。本名芳文。東京の京北中学校を4年で中退し、1932年(昭和7)第2回独立展に入選、独立研究所で学ぶ。1937年滝口修造と詩画集『妖精(ようせい)の距離』を刊行。創紀美術協会を経て、1939年美術文化協会の創立に参加、また写真造形研究会に加わる。1941年からフィリピンで軍報道部の仕事をし、1946年(昭和21)復員。1949年日本美術家連盟が発足して常任理事、のち国際造形芸術連盟執行委員となる。抽象作品により国内、海外の国際展で活躍。1962年よりローマに移り、同地で没した。1971年現代日本美術展で『R‐3』は東京国立近代美術館賞を受けた。
[小倉忠夫]