六訂版 家庭医学大全科 「陰茎形成性硬結症」の解説
陰茎形成性硬結症
いんけいけいせいせいこうけつしょう
Peyonie's disease
(男性生殖器の病気)
どんな病気か
30~50代に多く、陰茎海綿体を包む白膜という結合組織に
原因は何か
原因はまだよくわかっていません。何らかの炎症反応によって、瘢痕が形成されるといわれています。
症状の現れ方
陰茎の皮膚のなかに硬いしこりを触れます。陰茎の陰嚢と反対側の面にできることが多くみられます。平常時は痛くもかゆくもありませんが、勃起した時に陰茎が瘢痕のできた側に曲がってしまい、痛みを伴うことがあります。曲がり具合にもよりますが、性交時に挿入不能になってしまいます。
検査と診断
治療の方法
発症直後には炎症を抑える薬が使われます。超音波治療、ステロイド薬注入、コラーゲン分解酵素注入などが試みられていますが、あまり有効ではないようです。痛みがある時に放射線照射が有効という報告もあります。のみ薬としては、ビタミンEの内服が有効とされています。
性交渉に障害が出るような場合、本人が希望すれば手術を行います。硬化した陰茎海綿体の白膜を切除し、欠損部には皮膚の移植を行います。
病気に気づいたらどうする
悪性の病気ではないので命に関わることはありませんが、性生活に支障を来すようであったり、他の病気、たとえば陰茎がんなどとの見極めが困難な場合は、泌尿器科に相談してください。
岸田 健
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報