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…さらにこの種の物質について,その構成要素を調べてみると,その最小単位の大きさは,原子や分子の大きさと同程度(1オングストロームÅ=10-10m程度)であるが,電気的に中性の原子や分子とは異なり,正または負の電荷をもっていることがわかる。歴史的にさかのぼれば,電解質溶液に電流を流して電気分解を行うときに,アノードanode(陽極)へ向かって行く粒子とカソードcathode(陰極)へ向かって行く粒子があることから,M.ファラデーが〈行く〉という意味のギリシア語にちなみ,その粒子をイオンと名づけ,そしてカソードへ向かう粒子をカチオンcation(陽イオン),アノードへ向かう粒子をアニオンanion(陰イオン)と呼んだ。イオンの帯電の原因が1個または数個の電子の授受によることからわかるように,イオンがもつ電荷の量は電気素量e(=1.6021892×10-19C)の整数(正または負)倍に等しい。…
…結晶中で互いに近接する二つのO2-の距離は,数多くの物質について平均すると2.80Åであるので,O2-は半径1.40Åの球と考えることができる。この値を規準に用いると,結晶中での種々の陽イオンとO2-の距離を最もよく説明できるように陽イオンの半径を決めることができる。たとえばAl3+は0.535Å,Mg2+は0.720Å,Fe2+は0.780Å,Na+は1.02Åなどである。…
※「陽イオン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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