隔離てんびん(読み)カクリテンビン

化学辞典 第2版 「隔離てんびん」の解説

隔離てんびん
カクリテンビン
remote controlled balance

放射性物質を含む試料ひょう量する際,放射線被ばくを避けるために,てんびん(多くの場合,直示てんびん)を鉛セルなどのなかに設置し,モーター駆動方式により鉛の壁を隔てて操作できるようにつくられたてんびん.目盛の読みとりには,ペリスコープなど光学機器を使うか,てんびん内部機構の変位を電気的な量(電圧,周波数など)に変換して,セルの外側でデジタル表示する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の隔離てんびんの言及

【てんびん(天秤)】より

…(2)専用てんびん 試金てんびん(1~2g),化学てんびん(100~200g),調剤てんびん(50g)など。(3)特殊てんびん 比重てんびん(液体などの比重測定用),ガスてんびん(気体の密度測定用),乾燥てんびん(固体などの水分測定用),真空てんびん(真空中での秤量用),熱てんびん(物質の熱的質量変化の測定用),隔離てんびん(遠隔操作による質量測定用,キログラム原器との比較に用いる原器用てんびんの感量は1/104mgにも及ぶ)など。(4)トーションバランス 微小質量を細線のねじり弾性力でつり合わせるてんびん。…

【はかり(秤)】より

…セメントの計量用バッチャースケール,包装(袋詰めなど)用のパッカースケールはホッパースケールと同機能の定量ばかりの一種である。
[特殊なはかり]
 キログラム原器と次位の標準分銅とを比較するときに用いるてんびんは原器用てんびん,あるいは測定者等が発散する熱による測定精度の低下を防ぐためにてんびんと測定者とを隔離して使用されることから隔離てんびんとも呼ばれる。これには19世紀末にオーストリアのリュプレヒト社で製造した原器との比較測定が0.01mgの精密さでできるリュプレヒトてんびんがあり,世界の国々で今なお使用している。…

※「隔離てんびん」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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