普及版 字通 「隙(漢字)」の読み・字形・画数・意味
隙
常用漢字 13画
(異体字)
14画
[字訓] ひま・すき
[説文解字]
[字形] 会意
(ふ)+(げき)。は神の陟降する神梯。は玉光が上下に放射する形。神の降下するところに玉をおいて、神霊の示現することを示す。〔説文〕十四下に「壁際(へきさい)の孔なり」とするのは、七下を「際見(さいけん)の白なり」とする義と対応するものであるが、隙はもと壁孔をいうような字ではない。際が神霊を祭る神人の境を示す字であるように、隙も神霊の示現するところ、神人の間をいう。その玉光が他に及ぶことから、間隙の意となる。
[訓義]
1. 玉光のもれる意。ひま、すき。
2. 間隙、あいだ、すきま、われめ、きず。
3. 欠落したところ、不和、あらそい、なかたがい。
4. 他と接するさかい、つづく。
5. ・郤と通じる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕隙 ヒマ・ムクユ・タマノキズ・スクナシ 〔字鏡集〕隙 タマノキズ・スクナシ・アヒダ・アタヲロカナリ・シヅカ・ツラヌ・ウガツ・ムクユ・ヒマ
[語系]
隙・khyak、(間)keanは声義近く、は〔説文〕十二上に「隙なり」という。金文の字形は門と(肉)とに従い、門に肉を供えて祭る儀礼をいう。隙はその字形においては際と、また字の声義においてはと、連なるところのある字である。
[熟語]
隙宇▶・隙屋▶・隙罅▶・隙壊▶・隙間▶・隙駒▶・隙欠▶・隙穴▶・隙孔▶・隙駟▶・隙積▶・隙地▶・隙蠹▶・隙末▶
[下接語]
怨隙・過隙・罅隙・間隙・竅隙・隙・駒隙・空隙・隅隙・穴隙・決隙・寸隙・繊隙・争隙・内隙・農隙・辺隙・余隙
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報