隠沼(読み)こもりぬ

精選版 日本国語大辞典 「隠沼」の意味・読み・例文・類語

こもり‐ぬ【隠沼】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 堤などで囲まれて水が流れ出ない沼。
    1. [初出の実例]「埴安(はにやす)の池の堤の隠沼(こもりぬ)行方を知らに舎人はまとふ」(出典万葉集(8C後)二・二〇一)
  3. 草木などが茂っている下に隠れて水の見えない沼。
    1. [初出の実例]「味鳧(あぢ)の住む須沙(すさ)入江の許母理沼(コモリぬ)のあな息づかし見ず久(ひさ)にして」(出典:万葉集(8C後)一四・三五四七)

かくれ‐ぬ【隠沼】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「こもりぬ(隠沼)」の誤読による語か ) 草などにおおわれて上からは見えない、隠れた沼。隠れの沼。こもりぬ。
    1. [初出の実例]「かくれぬの下より生ふるねぬなはの寝ぬ名は立てじくるないとひそ〈壬生忠岑〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇三六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android