がんの三大療法(外科療法、薬物療法、放射線療法)を組み合わせて行う治療のこと。
がんの種類や進行度に応じて、一つの治療法だけでなく、複数の治療法を組み合わせて実施することで、より優れた治療効果を期待できる場合があり、その場合に選択される治療法である。
集学的治療は、種々の領域の専門医をはじめ、薬剤師や看護師など複数の職種の医療者が協力して診療を行うという点で集学的multidisciplinaryであり、複数の治療法を併用するという点で多様的multimodalである。
代表的な集学的治療として、(1)外科療法と薬物療法の組合せ:術前または術後に薬物療法を実施する、(2)放射線療法と薬物療法の組合せ:放射線照射前または同時、あるいは照射後に薬物療法を実施する、(3)外科療法と放射線療法の組合せ:同一病巣または別の病巣に対して実施する、などがある。そのほか、三大療法をすべて組み合わせた集学的治療も行われている。作用機序が異なる治療を組み合わせることで、より根治的な治療を実現することができる一方で、侵襲(体への負担)の大きさや副作用、後遺症の発現に注意する必要がある。
また近年では、これら三大療法の組合せ以外にも、がんの進行や治療に伴って生じる栄養障害や機能障害、疼痛(とうつう)(痛み)、あるいは心理的な問題などに対して、栄養サポートチームや緩和ケアチーム、リハビリテーションチームなど、より幅広い専門家が連携して集学的な治療やケアが行われている。
[渡邊清高 2018年1月19日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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