難儀(読み)ナンギ

デジタル大辞泉 「難儀」の意味・読み・例文・類語

なん‐ぎ【難儀】

[名・形動](スル)
苦しみ悩むこと。苦労すること。また、そのさま。「腰を屈めるのも難儀だ」「雪道を行くのに難儀する」
面倒なこと。迷惑なこと。また、そのさま。「難儀をかける」「難儀な話をもちこむ」
処理するのがむずかしいこと。また、そのさま。一大事
「宮は此の事何れも―なりとおぼし召して」〈太平記・五〉
[派生]なんぎさ[名]
[類語](2難しいややこしい煩わしい煩雑複雑面倒厄介煩瑣はんさ煩多錯雑錯綜さくそうしち難しい入り組んだ込み入った手が込んだ世話手数てすう・てかずうるさい面倒臭いやかましいくだくだしいうっとうしいこうるさい気詰まりしち面倒しち面倒臭い気が重い気が進まない気乗り薄うんざり億劫おっくう渋る投げ遣り大儀懶惰らんだ横着怠慢怠惰不精懈怠けたい世話が焼ける手が掛かる冗長繁簡ごたごたもつれる入り乱れる紛糾ごっちゃ乱雑雑然/(3てこずる難しい苦労困る弱る参るきゅうするこうずる苦しむ困り果てる困りきる困りぬく困却する往生おうじょうする難渋なんじゅうする閉口する困惑する当惑する途方に暮れる手を焼く手に余る持て余す手に負えない手が付けられない手が掛かる世話が焼ける始末に負えない始末が悪い・どうにもならない・如何いかんともしがたい度し難い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「難儀」の意味・読み・例文・類語

なん‐ぎ【難儀・難義】

  1. 〘 名詞 〙
  2. たやすくその内容を解きあかすことのできないような事柄。わかりにくいことばや意味内容。
    1. [初出の実例]「辰星古来難儀也。但見漢書曰。仲月之星也」(出典江談抄(1111頃)四)
  3. ( 形動 ) 並のさまでなく、処理のむずかしいこと。一通りではいかないさま。一大事。重態。
    1. [初出の実例]「宮は此事何れも難議也と思召て、敢て御返事も無りけるを」(出典:太平記(14C後)五)
  4. ( ━する ) 平易でない事柄に苦しみ悩むこと。苦労。困苦困窮。特に、「なんぎしている」などと、貧乏であることをもいう。
    1. [初出の実例]「路次の難儀(ナンキ)を顧て、此内侍をば今堅田と云所にぞ留め置れたりける」(出典:太平記(14C後)二〇)
  5. ( 形動 ) わずらわしいこと。めんどうなさま。迷惑。
    1. [初出の実例]「七ケ日之間山徒警固申。武家人警固難儀之由山徒申云云」(出典:看聞御記‐応永二八年(1395)三月二一日)
  6. 欠けていること。不十分なこと。欠点
    1. [初出の実例]「乱世に、無事にすぐし給ひし名大将を、よはき所ありなどと申さんは、名歌に難儀を求るがごとし」(出典:随筆・戴恩記(1644頃)上)

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普及版 字通 「難儀」の読み・字形・画数・意味

【難儀】なんぎ

困難。

字通「難」の項目を見る

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