雨竜沼(読み)うりゅうぬま

百科事典マイペディア 「雨竜沼」の意味・わかりやすい解説

雨竜沼【うりゅうぬま】

北海道雨竜町,暑寒別岳の東にある沼。溶岩台地上の凹地に水が溜まって泥炭地を形成しており,沼の周囲は数多くの池塘(ちとう)や浮島が点在する湿原となっている。冬場豪雪とその融雪水,夏場の冷涼な気候の影響で,標高1000mに満たないこの地域に道内一の山岳高層湿原が存在しており,ウリュウコウホネやエゾヒメギフチョウなどの湿原固有の動植物も見られる。周辺の湿地は〈雨竜沼湿原〉として2005年11月にラムサール条約登録湿地となる。車道終点,南暑寒荘から徒歩約2時間。
→関連項目雨竜[町]暑寒別天売焼尻国定公園ラムサール条約

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雨竜沼」の意味・わかりやすい解説

雨竜沼
うりゅうぬま

北海道中西部空知(そらち)総合振興局管内の雨竜町の西部、暑寒別(しょかんべつ)岳の東側中腹、溶岩台地上にある高層湿原。石狩川支流の尾白利加川(おしらりかがわ)の水源となり、標高850メートルの高地に、東西2キロメートル、南北1キロメートルにわたって大小百数十の池沼群があり、春の融雪時は連続した大沼となる。ミズゴケ、スゲ類など湿地性植物が泥炭層上に繁茂し、7月ごろに咲き競う。暑寒別天売焼尻(てうりやぎしり)国定公園に指定され、途中まで車道、その先は徒歩約2時間。なお、雨竜沼湿原は2005年(平成17)に、ラムサール条約登録湿地となった。

[柏村一郎]


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世界大百科事典(旧版)内の雨竜沼の言及

【暑寒別岳】より

…山体は著しく浸食されて,もとの火山形態をとどめないが,緩傾斜の円錐状火山またはいくつかの火山が成長する過程で結合して一つの山体を形成したものが,その後の開析によって数個の山頂に分かれたものとされている。一帯は道立自然公園に指定され,東麓にある雨竜沼は高山性湿原植物の群落で知られる。日本海に近く季節風の影響を直接受けるため積雪も多い。…

※「雨竜沼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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