零細農(読み)レイサイノウ

デジタル大辞泉 「零細農」の意味・読み・例文・類語

れいさい‐のう【零細農】

農地が少なく、賃労働などを兼ねて生計を立てる農家

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精選版 日本国語大辞典 「零細農」の意味・読み・例文・類語

れいさい‐のう【零細農】

〘名〙 耕地面積がきわめて少なく、賃労働を兼ねるなどして生計を立てる農家。

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改訂新版 世界大百科事典 「零細農」の意味・わかりやすい解説

零細農 (れいさいのう)

農家を経営規模にしたがって階層に分ける場合,一般に〈富農〉〈中農〉〈小農〉に区分されるが,日本の農家経営について,〈小農〉よりさらに小規模なものについていう用語。自家農業だけで家族の生計を維持するだけの経営規模をもたず,保有する生産手段も貧弱で,劣悪な生産条件にあるものをさす。日本の農業経営の特質の一つに経営規模の零細性があげられるように,日本では零細農が広範に存在している。こうした実情下にあっては,機械の過剰投資を引きおこすのみならず,費用が割高になる傾向がある。しかし,〈零細〉性を単に経営面積の大きさのみに起因させることは誤りである。日本でも50a以下の経営面積を集約的に利用して高収益をあげている施設園芸農家も多く,零細性とは,土地集約度と労働集約度の2面から評価する必要がある。といっても穀作・畜産などの土地利用型農業では経営面積の零細性は否定できず,農産物の国際競争力を増す観点からも零細性の克服が必要になっている。そのため現在,農用地利用増進法で利用権の集積農用地の流動化・規模拡大が図られている。
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