電圧(読み)デンアツ

デジタル大辞泉 「電圧」の意味・読み・例文・類語

でん‐あつ【電圧】

二点間の電位の差。単位ボルト
[類語]電気陽電気正電気陰電気負電気静電気電磁気電場電界電流直流交流整流電気抵抗発電送電配電感電通電電動電源電荷荷電帯電充電蓄電放電

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「電圧」の意味・読み・例文・類語

でん‐あつ【電圧】

  1. 〘 名詞 〙 二点間の電位の差。単位はボルト(V)。電位差。〔電気訳語集(1893)〕
    1. [初出の実例]「猪苗代湖の水力で起した電圧幾万幾千ボルトの三相交流が」(出典:写生紀行(1922)〈寺田寅彦〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「電圧」の意味・わかりやすい解説

電圧
でんあつ
voltage
electric tension

2点間の電位の差、または、ある点の電位を基準とした他の点の電位。前者の場合は2点を指定して、たとえば「抵抗の両端の電圧」のようにいう。発電機電池などのように、2点が出力端子であることがはっきりしているときには、「発電機の電圧」「電池の電圧」などということもある。後者の例としては、エレクトロニクス機器などで、シャーシ(筐体(きょうたい)。機器類を収めた箱)を基準とした回路各部の電位を電圧ということもある。電圧を生じる元となる作用は起電力とよばれる。また、電気回路や物体に電位差を与えることを、「電圧を加える」という。2点間を1クーロンの電荷を動かすのに1ジュールのエネルギーを要するとき、この2点間の電圧を1ボルトと定めてある。なお交流電圧は、大きさが絶えず変化しているので、通常、電圧の瞬時値の2乗の1周期間の平均をとり、この平方根の値を電圧とよぶ。これを実効値という。

[布施 正・吉澤昌純]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「電圧」の意味・わかりやすい解説

電圧 (でんあつ)
voltage

おもに電流回路で用いられることば。電位差と同義語であり,単位はV。定性的にいえば,電圧は導体の電気抵抗に逆らって電流を流そうとする能力を表す。電源(電池など)の両端の電位差は電源電圧と呼ばれ,電流が流れていない状態では起電力に等しいが,電流が流れると電源の内部抵抗のため起電力より減少する。電源と負荷を導線で結ぶと,負荷にかかる電圧は,導線の電気抵抗のために電源電圧より下がる。これを電圧降下と呼ぶ。
電位
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「電圧」の意味・わかりやすい解説

電圧【でんあつ】

電池,発電機,変圧器など電源の両端子を抵抗でつないだとき,また一般に電流回路中に任意の2点を考えたとき,その間の抵抗にうちかって電流を押し流そうとする能力。定常的な電流回路では電圧は電位差と同じ。単位はボルト(V)。→起電力

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電圧」の意味・わかりやすい解説

電圧
でんあつ
voltage

2点間の電位の差。1クーロンの電荷をA点からB点まで移動させるのに V ジュールの仕事が必要なとき,AB間の電圧を V ボルトという。ボルトの単位記号はV である。交流の場合は電圧の瞬時値は刻々変化するので,電位差極大値を電圧の最大値,その 1/√2 を電圧の実効値としている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

電気・電力用語 「電圧」の解説

電圧

電圧とは電気を流す圧力のようなもので、電気を水の流れにたとえると、電圧は水の落差(らくさ)[水圧]に相当(そうとう)すると考えてよいでしょう。水圧が大きければ大きいほど水のいきおいが強いように、電圧が高いほど電気を流す力が大きくなります。私たち家庭にきている電気の電圧はふつう100ボルトです。

出典 東京電力ホームページ電気・電力用語について 情報

化学辞典 第2版 「電圧」の解説

電圧
デンアツ
voltage

電流に対する駆動力を意味する電気工学上の用語.電位差とほとんど同義に使われることが多い.測定単位はボルト(V)が用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の電圧の言及

【異常電圧】より

…送配電線に発生する,正常な運転電圧以外の電圧をいう。運転電圧より高いものと低いものがあるが,高いものを過電圧と呼んでいる。…

※「電圧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android