化学辞典 第2版 「電離(電解質の)」の解説
電離(電解質の)
デンリ
electrolytic dissociation
電解質の一部または全部が溶液中で陽イオンと陰イオンに解離する現象.電解質の電離には溶媒の次の二つの挙動が重要である.その一つはイオンが溶媒分子と相互作用し,溶媒和することである.この溶媒和のエネルギーは負の値で通常の化学結合のエネルギーより小さいが,ファンデルワールスのエネルギーや水素結合のエネルギーよりも大きい.もう一つは溶媒の誘電的効果のため,イオン間の静電的相互作用を減少させることである.この二つの効果のため,電解質は誘電率の大きい極性溶媒に容易に溶解して電離すると考えられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報