露・顕(読み)あらわ

精選版 日本国語大辞典 「露・顕」の意味・読み・例文・類語

あらわ あらは【露・顕】

〘形動〙 物事が表面に現われて、外から明らかに認められる状態をいう。
① (視覚的に)はっきりと見えるさま。まる見え、あるいは、むき出しなさま。特に、肉体の全部または一部がむき出しのさまにいう。
書紀(720)神代下「顕露 此をば阿羅幡弐(アラハニ)と云ふ」
平家(13C前)灌頂「簾たえ閨(ねや)あらはにて、雨風たまるやうもなし」
読本・南総里見八犬伝(1814‐42)四「毛臑(けずね)陽著(アラハ)に、衣(きぬ)の衿(つま)を、片端折せし躬剽(みがる)打扮(いでたち)
② (知覚的に)はっきりしているさま。明白、まぎれもない、歴然としているさま。
※彌勒上生経賛平安初期点(850頃)「其の文を瞻るに、義顕(アラハナリ)
源氏(1001‐14頃)若菜上「たづね知るべきかたあらはなるを」
③ (①から転じて) 態度などがあけひろげなさま。慎みのないさま。露骨、無遠慮なさま。
落窪(10C後)二「わが局(つぼね)と頼みて来て、入らんとするに、『あらはなり。中将殿おはします』といふに」
④ (隠すべき事柄などを)外に出すさま。表向き、公然、おおっぴらなさま。
新撰字鏡(898‐901頃)「公然 正也、共也、久也、安良波爾」
※源氏(1001‐14頃)行幸「人の御むすめとて、こもりおはする程は、必ずしも、氏神の御つとめなど、あらはならぬほどなればこそ」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「陽(アラハ)に負けて陰(ひそか)に復(かへ)り討に逢はした昇に」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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