日本大百科全書(ニッポニカ) 「青木(村)」の意味・わかりやすい解説
青木(村)
あおき
長野県中北部、小県郡(ちいさがたぐん)にある村。上田盆地の西方、通称塩田平(だいら)とよばれる西端にあり、西と北は山地へ移行する。上田―松本両市を結ぶ国道143号が村を東西に走る。浦野川沿いの平坦(へいたん)地は、水稲、リンゴを中心にした農業地であるが、上田市への通勤者が多い。村内には沓掛(くつかけ)、田沢の両温泉や、古代東山(とうさん)道が越えたとされる保福寺峠(ほふくじとうげ)などのほかに、室町前期建立の国宝三重塔で知られる大法寺(だいほうじ)がある。三重塔は訪れた人が立ち去るときに思わず振り返るので「見返りの塔」ともよばれる。江戸末期から明治初年にかけてつくられた多数の石仏や石神のある修那羅峠(しょならとうげ)もある。また、村の東境にある夫神岳(おかみだけ)(1250メートル)と女神岳(めがみだけ)(大明神岳。1232メートル)は縁結びの山で、女神岳より相染(あいそめ)川が流れ出し、下流では産(さん)川になるなど、それらにまつわる古い言い伝えがある。面積57.10平方キロメートル、人口4121(2020)。
[小林寛義]