非線形景気循環論(読み)ひせんけいけいきじゅんかんろん(英語表記)theory of nonlinear business cycles

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「非線形景気循環論」の意味・わかりやすい解説

非線形景気循環論
ひせんけいけいきじゅんかんろん
theory of nonlinear business cycles

景気循環論の一つ。景気循環の分析をするにあたって非線形モデルが必須であると考える理論。持続的かつ一定枠内での景気変動を記述するために,線形モデルでは外生的な要因が必要とされるが,非線形モデルを用いれば外生要因は必要とされない。たとえば R.グッドウィン加速度原理の非線形化を試みる。また J.R.ヒックスの景気循環論が天井を設定するのも非線形モデルの一つである。しかし,実際の景気循環は非対称な波を描くが,非線形景気循環モデルは左右逆の非対称性を示す傾向があり,現実のデータとの整合性はいまのところ達成できていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android